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  • マイナスイオンを浴びると健康になる

    posted at 2019年4月27日

     

    壱、

    一般的に「マイナスイオンを浴びると健康になる」と言われる。

     

    この命題に対して、

     

    • マイナスイオンとは負の電荷を持った物質のことか?
    • 電荷は保存しているのか?
    • そもそも健康とは何か?

     

    といった面倒な疑問を挟んでくるメガネがたくさんいるが、頭の悪い私には「ウザい」という感情しか浮かばない。

     

    メカニズムなどどうでも良い。

     

    健康に良いものは健康に良いのである。

     

    「マイナスイオンを浴びると健康になる」という命題は、「反論が許されない命題」なのだ。

     

    それでは「反論が許されない命題」とはどういう命題だろうか。

     

    このような命題はただ1種類しかない。

     

    「トートロジー」と呼ばれるものである。

     

    例えば、

     

    • 「頭のいい人って頭がいいよね〜」
    • 「テストの成績が良い人って、高得点を取るよね〜」

     

    とかいったものがトートロジーの代表だ。

     

    つまり「マイナスイオンを浴びると健康になる」という命題に反論が許されないのならば、この命題はトートロジーと言えるのだ。

     

    トートロジーの命題は、必要十分な命題である。

     

    どういうことかというと、

     

    「p ならば qである」という命題がトートロジーであれば、p = qだということになり、「qならばpである」という命題も成り立つことになる。

     

    これを今回の例に当てはめてみよう。

     

    すると、「マイナスイオンを浴びる」という行為自体が「健康になる」ことそのものを指していることが分かる。

     

    したがって、「健康になるならばマイナスイオンを浴びている」という命題も成立するのである。

     

    さらに、「健康」の対義語は「病気」なので、対偶を取ると、「マイナスイオンを浴びないならば病気である」も成立する(対偶をとっても命題の真偽は変化しない)。

     

    ここで今後の議論を分かりやすくするため、これまでの命題をまとめておく。

     

    マイナスイオンを浴びると健康になる ・・・(甲)
    健康になるならばマイナスイオンを浴びている ・・・(乙)
    マイナスイオンを浴びないならば病気になる ・・・(丙)

     

     

    弐、

    マイナスイオンは主に緑多い山に存在し、最も濃度が高いのは滝壺付近の空気である。

     

    人々は山に登り、最もマイナスイオン濃度が高い滝壺を目指す。

     

    そして滝壺付近の高濃度マイナスイオンを十分に浴びて健康になるのだ。

     

     

    参、

    あまり縁起の良い話ではないが、ある人が足を骨折してしまったとする。

     

    足を骨折してしまうと、歩くのに不自由になる。

     

    松葉杖を使えば、ちょっとしたところは歩けるだろうが、山に登ることは無理だ。

     

    すると骨折した人は、山に登って滝壺のマイナスイオンを浴びることができないのである。

     

    マイナスイオンを浴びると健康になる ・・・(甲)
    健康になるならばマイナスイオンを浴びている ・・・(乙)
    マイナスイオンを浴びないならば病気になる ・・・(丙)
    骨折した人はマイナスイオンを浴びることができない ・・・(丁)

     

     

    肆、

    勘の良い方ならすでにお分かりだと思うが、命題(丙)と命題(丁)より、「骨折した人は病気になる」という命題が導き出せることが分かる。

     

    もともと当たり前のことを証明してどうしたというのだ、と思う方もいるかもしれないが、当たり前のことを証明することは案外難しいことなのだ。

     

    事実、骨折は筋肉の弱体化による運動機能の低下や脂肪塞栓など、更なる病気を引き起こすリスクになる。

     

    とにかく私たちは、命題(甲)から出発することで、「骨折した人は病気になる」という命題を証明することができた。

     

    マイナスイオンを浴びると健康になる ・・・(甲)
    健康になるならばマイナスイオンを浴びている ・・・(乙)
    マイナスイオンを浴びないならば病気になる ・・・(丙)
    骨折した人はマイナスイオンを浴びることができない ・・・(丁)
    骨折した人は病気になる ・・・(戊)

     

     

    伍、

    しかし近年、状況は変化しつつある。

     

    というのも、「マイナスイオンを放出する空気清浄機」なるものが研究段階を終え、市場に出回り始めたからである。

     

    すると何が起きるであろう?

     

    骨折しても、その空気清浄機から放出されたマイナスイオンを浴びることができるのである!

     

    つまり先に述べた命題(丁)、「骨折した人はマイナスイオンを浴びることができない」は、近年では必ずしも成立する訳ではない。

     

    マイナスイオンを浴びると健康になる ・・・(甲)
    健康になるならばマイナスイオンを浴びている ・・・(乙)
    マイナスイオンを浴びないならば病気になる ・・・(丙)
    骨折した人はマイナスイオンを浴びることができない ・・・(丁)
    骨折した人は病気になる ・・・(戊)
    骨折してもマイナスイオンを浴びることができる ・・・(己)

     

     

    陸、

    議論を立て直そう。

     

    先ほど命題(丁)が成り立たないことが分かり、その影響で命題(戊)も棄却されることとなった。

     

    そして新たに命題(己)が立脚した。

     

    ここで命題(甲)と命題(己)を組み合わせてみると、「骨折しても健康になれる」という命題が成り立つ。

     

    なんということであろうか!

     

    今まで人々を苦しめてきた骨折は、必ずしも病気ではない。

     

    家でも気楽にマイナスイオンを浴びることで健康になれる可能性が出てきたのだ。

     

    マイナスイオンを放出する空気清浄機は世の中を救ったと言っても良いのではないか。

     

    そして私は何より、世の中は常に進化している、と実感した。

     

    Q. E. D.

     

     

    マイナスイオンを浴びると健康になる ・・・(甲)
    健康になるならばマイナスイオンを浴びている ・・・(乙)
    マイナスイオンを浴びないならば病気になる ・・・(丙)
    骨折した人はマイナスイオンを浴びることができない ・・・(丁)
    骨折した人は病気になる ・・・(戊)
    骨折してもマイナスイオンを浴びることができる ・・・(己)
    骨折しても健康になれる ・・・(庚)

     

    ※ネタです